Tさんは「お客様は、高額商品を販売する会社の場合はやはり敷居が高いのと、そういう会社の営業が「怖い」んでしょうね。特に不動産関係は。夜討ち朝駆けは当たり前の世界ですから。そして顧客もそのことをよおく知っている。だからこっそり見に行く。チラシ(地図)片手に。この特性を発見できただけでも儲けものです(笑)」と分析しています。ホームページから家を売ったといっても、ホームページに備え付けてあるを買い物カゴに家をひとつ入れて購入したわけではありません。もちろん、その住宅販売系企業のホームページにはお買い物カゴはありません。ホームページを見たお客が、なんのアポもなくいきなり見学会に現れ、即決で契約していくのです。従来の方法では、見学会や説明会等で見込み客を獲得し→そのお客様に対し営業が必死に取りつき売り込み説得し→やっとの思いで売っていました。業界のほとんどの人は、そうしないと売れないと信じています。後工程の「営業によるプッシュ」は絶対に必要不可欠だと信じられていました。そこで住宅を買いで探そうと考えていました。そうなお客、住宅の購入に関心のあるお客を「資料請求方式」そこで、ホームページを資料請求客の獲得の場と位置づけ、資料請求させるための構成にしてきました。しかし、これがまったくうまくいかなかったのです。見込み客はほとんど獲得できなかったのです。Tさんは失敗の理由を、「資料請求した後の営業による追客が嫌だから」だと考えました。地域にもよりますが、住宅販売会社に資料請求した後で、何もないわけはありません。「朝に夜にセールスマンが押し掛け、売り込みをかけられるに決まっている」と普通考えます。それが嫌なので、よっぽどのことがない限り住宅販売会社に資料請求することは少ないのです。そのことに気がついたTさんは、今度は「住宅展示場への集客」を目的にホームページを修正し始めました。今までホームページ上に出さなかった住宅の写真や細かい情報を、すべてホームページ上に公開したのです。ただし、これらの情報や写真をトップページに持ってくることはしませんでした。まずどのような住宅なのかの説明を文字情報で行い、さらに詳しく見たい人だけが次のページに進み、じっくりと写真情報や細かい情報を見ることができるような構成にしました。そして最後に、「今どこに行けば現物の住宅を見ることができるのか」という見学会の情報を公開したのです。基本的にこの手法は当たりました。ホットなお客様はじっくりとホームページを見て検討した後、いきなり展示場に現れ、即商談に入っていくのです。また問い合わせメールも以前以上に増えていきました。セールスマンがまったくタッチすることなく、勝手に月にいくつもの住宅が売れ始めたのです。また、メール等で問い合わせてきたお客の中で、まだホットになり切れていない、あるレベルのお客に関しては、時が経つまで放っておいた方がいい、ということもわかってきました。しかし、このTさんの手法は会社には認められていません。基本的には行け行けドンドンの会社なので、まだコンタクトしないほうがいいようなメール問い合わせ客の存在を営業に伏せておくのに苦労したそうです。いずれにしてもこの実験で、「営業による追客がなくても、資料請求させなくても、ホームページの情報だけで十分に住宅が売れる」ということがわかってきました。ポイントは、「ホット客に必要な情報をすべて与えること」そのためには「表示に時間のかかる重い画像や、じっくり見れる細かい情報は、できるだけ後ろのページに置く」ことが必要になります。