これがかつてトヨタ生産方式を創った男たちの共通認識だった。ラインが最初から最後まで一本のベルトコンベアなどで結ばれて絶えず一定速度で流れていると、その間に不良品が発生してもラインは先に進んでいってしまう。それは結局、ラインオフ後に改めてたいへんな手間ひまをかけて手直しをしなければならない。もし、不良車が相次ぐことにでもなった場合は、クルマをつくることよりも手直しに追われることになる。だからこそ、トヨタ生産方式ではライン間のすべてにおいて、欠陥ゼロ、不良ゼロの完璧をめざしてきた。
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各工程で絶対に不良を出さないためには、ラインを止めてでもその場で直すこと、後工程に、不良を絶対に押し出さないことを徹底した。もっとも、ラインが一本ラインになっていたら、一ヶ所でラインを止めると全工程がストップしてしまうわけで、これではあまりにも問題が大きい。生産は上がらない。そこである工程が止まっても前後の工程には響かないようにしたのがラインのブツ切りだった。いずれにしても、バブル崩壊不況の底でトヨタが再び「分割組立てライン」の復活に取り組んでいるというのは、かつてのトヨタ生産方式の火種がまだ完全に燃え尽きていなかったということなのかもしれない。