花嫁のお色なおしの振袖は吉祥のきまり柄に染め抜ぎ五つ紋にすると格式があります。二枚重ねが原則で、下着は羽二重の白無垢。長儒絆は赤か白、あるいは緋鹿の子などもふさわしいと思います。帯は白地唐織の丸帯が本式とされていますが、白地振袖なら赤地唐織のほうが引き立ちます。最近は、格調のある柄の袋帯が多く使われています。帯あげは紅鹿の子。帯やきものの派手なときは胸もとをすっきり見せるために無地綸子を使うこともあります。帯じめは丸ぐけ、または朱、金、銀などの組紐や平打ち。筥迫はピラピラ飾りを取り、草履、扇子は式服のものをそのまま使います。仲人がお色なおしをした花嫁の手を引き、客席を一巡するのも気がきいた趣向です。そして、花嫁がお色なおしをして席に帰ると、スピーチにはいります。しかし、「どうぞ召し上がりながら……」というのは、話す人に対しても、聞く人に対しても、失礼なやり方だと思います。食事の問じゅう、のべつまくなしにスピーチのある披露宴に出席したことがあります。私もスピーチを指名されたものの、食器のガチャつく音や客同士の談笑の声にさまたげられて、とてもやりづらくて不愉快でした。来賓の祝辞は新郎新婦側各一、二名ずつにして食事前にすませ、一般の友人関係のスピーチは、お色なおしが終わって、食事かデザートコースにはいってからにしたほうがよいと思います。