個人と個人を結ぶマーケット、オークションについても触れておこう。いわゆるネットオークションの草分け的な存在であり、いまも最大のサイトである「eベイ」は、創業者夫妻の妻の趣味がきっかけだったという。その趣味というのが、PEzというアメリカで人気のあるお菓子のケースのコレクション。そのケースにはピエロやパンダなどいろいろな人形がついていて、95年、その売り買いをネットでやることにしたのがそもそもの始まりだったというから面白い。それがさまざまな商品に広がっていった。日本でも「楽天市場」などが人気を集めている(もちろん、ネット詐欺などの問題に対して、信頼性をどう担保するかという課題もある)。インターネットという新しい情報インフラを使ったeビジネスの中でも、もっとも進化している形態のものとして、97年に設立された「プライスラインドットコム」が挙げられる。プライスラインドットコムは、ホームページ上で航空券をはじめ、ホテル予約や旅行保険といった数々の商品を、ユーザーが自ら決めた値段で商品を購入する、逆オークションという方式で提供している。個人や企業がインターネットでつながれていなかった時代には、値段の設定と提示は、供給者が権限を握っていた。このため、航空券などの商品は、ユーザーが何を優先して購入選択をおこなっているかという点がおざなりにされてきた歴史がある。だが、インターネットが発達してくると、消費者はあまたある企業が提供した価格、内容、情報を比較し、その中からもっとも自分にあった商品をピックアップすることができるばかりか、市場原理に基づいた値段設定の権限さえ持つようになる。プライスラインはまさにそれを実現させたと言ってもいい。