日本でも一時期、若い人の間で「黒すくめ」が流行しましたが、ティーンエージャーの黒好きは、ここイタリアでも同じこと。上から下まで黒すくめ、ジーンズだって黒がいい、そんな10代の女の子たちでいっぱいです。近所に住むイネス(13歳)とイリス(17歳)の姉妹も、例にもれずブラック嗜好。「まったくねえ、Tシャツからドレスまで黒ばっかり。たまには明るく華やかな服にすればいいと思うのにダメなのよ」。母親のマリアは嘆きます。本当にね、と相槌をうったものの、イネスとイリスの黒好みはよく理解できる。私だって昔はそうだったからです。黒を中心とした服、小物を選んでいたのは、10代の頃のみではありません。ヨーロッパ暮らしを始めるまでの長きにわたって続いたものでした。なぜって、黒がいちばんエレガントでシツクな色だと信していたから。黒に優るおしゃれな色はないと思い込んでいたのです。ところが、ヨーロッパ、特にイタリア暮らしに入って以来、私の黒崇拝は根こそぎ崩れていきました。ティーンの少女たちの一時的な黒惚れ現象はいつの時代にもあるけれど、よりチャーミングなカラーがイタリアには何色も存在することが分かったからです。一般的にカラフルな色が好きと思われがちなイタリアのファッション。事実、エンリコ・コーベリやモスキーノ、フィオルッチなどの有名ブランドが、明るくカラフルな服を次々と発表しては人気を集めています。